時価総額分布と売上高比率および利益率の関係は10倍がキーワード?

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

株式投資をする上で、その企業がどれくらいの時価総額を持っているかは重要ですよね。

なぜなら時価総額によって事業規模も異なり、

  1. 売上高
  2. 営業利益
  3. 経常利益

などの大きさも変わってくるからです。

しかし、そういった知識がありながらも

  1. 国内株式市場の時価総額分布はどんな感じか
  2. 売上高や利益の比率はどれくらいか

まで把握している人も少ないでしょう。

そこで今回は証券アプリの検索機能を活用して上記についてざっくりと調べてみました。

市場全体で考えた時の収益性目安がわかると思いますので、ぜひご参考ください。

    

時価総額と売上高の関係性

まず市場全体における時価総額分布をざっくりと把握していきます。

今回使うのは楽天証券のスーパースクリーナーで、ここに「時価総額」の条件を追加しました。

この記事を執筆している時点において、国内株式市場の最大時価総額を誇っているのはトヨタ自動車の約25兆円です。

ここを最大値として独断で時価総額帯を設け、銘柄数を調べていきます。

その結果、このような時価総額分布になりました。

時価総額分布

市場全体の時価総額を考えたとき、

  1. 全体の78%が時価総額1000億円以内に入る
  2. 500億円以下は特に多い

といった印象ですね。

時価総額1000億円を超える企業は銘柄数で考えれば800~900銘柄ほどありますが、全体としてはかなり少数となります。

売上高比率を考える際にはこの時価総額1000億円がひとつの区切りになるのではないでしょうか。

売上高分布から比率を考える

次に同じ手順で売上高の分布を見ていきます。

売上高の分布を調べた結果、このようになりました。

売上高分布

銘柄数は先ほどと若干ズレていますが、ポイントとしては

  1. 全体の77%は売上高1000億円以内に入る
  2. 全体の90%以上は売上高5000億円以内に入る
  3. 最も多いのは100億~250億の売上高帯

ということが挙げられます。

先ほどの時価総額分布では1000億円がひとつの目安でしたが、売上高としてはその4分の1~2.5倍ほどが目安になっていてかなり幅広い印象ですね。

最低でも時価総額の25%は売上高として欲しくて、2倍以上の売上高があれば割と大きい市場だと考えられるかもしれません。

時価総額と同様に1000億円を売上高の目安として考えた場合、

  1. 時価総額1000億円以内:市場全体の78%
  2. 売上高1000億円以内:市場全体の77%

とほぼ同じ割合で、自分の時価総額と同等の売上高を誇っている企業は多そうなイメージです。

ただし、ここには

  1. どのような業種に属しているか
  2. その市場規模はどれくらいか

といったことも関係してきそうではあります。

例えば市場規模が大きい建設業で

  1. 時価総額500~1000億円
  2. 売上高1000億円以上

という銘柄を検索してみましたが、時価総額帯に該当する12銘柄のうち11銘柄が売上高1000億円以上でした。

時価総額600億円の企業でも売上高1500億円以上という数字が四季報に記載されていて、市場規模の大きさが感じ取れます。

売上高は時価総額と同等レベルという目安が考えやすいものの、どの業種に属しているかまで加味した方が良さそうです。

また、重要なのは「売上高からどれくらいの比率が利益として残るのか」ですよね。

ということで次は売上高営業利益率などについて調べてみましょう。

売上高と営業利益および経常利益の比率関係

売上高に対して本業利益がどれくらい残っているのかは「売上高営業利益率」という指標で示されます。

また、同様に売上高に対してメインおよびサブ事業の利益がどれくらい残っているかは「売上高経常利益率」という指標で示されます。

これらに対しても市場分布を調べてみた結果、このようになりました。

営業利益率分布

まず営業利益率についてですが、

  1. 全体の88%ほどは営業利益率15%以内に入る
  2. 特に10%以下はかなり多い

という結果です。

営業利益率は業種によってかなり違ってくるところではありますが、大体売上高の1割ほどが利益として残ることが多いと考えられそうですね。

次に売上高経常利益率ですが・・・

経常利益率分布

こちらも営業利益率と同様に

  1. 全体の85%ほどは経常利益率15%以内に入る
  2. 特に10%以下はかなり多い

という結果になりました。

メイン事業もサブ事業も含めて売上高の1割は利益として残していきたいということですね。

時価総額と売上高および利益率の関係性

ここまでのお話を遡っていくと、

  1. 営業利益や経常利益は売上高の10%ほどの比率を維持したい
  2. 売上高は業種にもよるが、時価総額と同比率が目安

ということになります。

これらの関係性を言い換えると、通期予想を活用して予想時価総額目安まで算出できるということですね。

例えば、通期経常利益予想が100億円と発表されたのであれば

  • 100億円 × 10 =1000億円の売上高

となり、仮にこれが時価総額と同レベルであればそのまま予想時価総額という計算になります。

もし現状の時価総額が1000億円にも満たない状況ならまだ株価上昇余地があるとも考えられるでしょう。

売上高の目安は今までの傾向からもっと正確に把握できる可能性は高く、実際にはもう少し正確な予想時価総額が算出できると思います。

まとめ

いかがでしたか?今回は市場における時価総額や売上高の分布と利益率の目安についてご紹介しました。

業種にも依存するものの簡易的には営業利益もしくは経常利益を10倍してあげると売上高や時価総額が計算できると思います。

そこから現状の時価総額と比較し、株価にどれくらいの上昇余地があるかを考えると良いですね。

人気銘柄だとかなり先の時価総額まで織り込んでしまいがちですが、初動に近い割安銘柄であれば使いやすい考え方ではないでしょうか。

通期利益予想から自分なりの目安を持ち、業績の進捗状況なども考えながら値動きを見ていきたいところです。

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がありますのでご参考ください。それではまた!