どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株式投資において、年に4回訪れる決算発表には重要な意味合いがあります。
また、決算前の値動きにどういった思惑が絡んでいるか考えることも重要でしょう。
個人投資家には決算シーズン前に業績予想だけちょろっと確認して目星をつける方が多いですが、それは本来の形ではありません。
この記事では
- 決算前の株価がどういった意味合いを持つか
- 決算前の思惑を業績から考える流れ
- 決算前に株価が下がる要因
- 業績の織り込み
について述べました。
正直、決算前後の流れを読むことはかなり難しいですが、基本的にどういったことに着目していくかを自分なりに考えた方が良いと思います。
決算前の値動きは意義深いものなので、ぜひご参考下さい。
株における決算前の値動き
決算前における株価の動きを左右するのは
- 業績予想に対する期待感(思惑)
- 期待感を利用した短期勢の仕掛け
だと思います。
決算前に買う人と売る人どちらが多そうか判断する
企業のほとんどは通期決算を発表すると同時に、来期の業績予想を発表しますよね。
この業績予想がある程度の目安となっていて、これらを元にアナリスト達がレポートを書きコンセンサス情報も出てくるわけです。
仮にこの業績予想がかなり良いもので、しかも現実味のある内容であれば株価が勢いづくことも十分考えられます。
ただし、ここで出てくる考え方が「本当に業績予想が達成されるか四半期決算で確認していかなければならない」というものでしょう。
業績予想が良くても悪くてもこういった考え方がどの銘柄にもあって、人気が高ければ高いほど色々な立場の思惑が複雑に絡み合うはずです。
例えば、売上高比重が決算期ごと均等になっている企業の業績予想が100億円の純利益だったとしましょう。
普通に考えれば、第1四半期の決算発表で業績予想の4分の1(25億円の利益)を達成していれば良さそうなものです。
しかし、ここで重要なのは単純な算数ではなく
- 25億円の最低ラインを達成できそうだと市場が感じているか
- 25億円の利益を達成すれば満足という人がどれほどいるか
といったことでしょう。
言い換えれば「その銘柄に対する期待感がどれほど高いのか」ということでもあり、市場の熱量がどれくらいなのかを読み取らなければなりません。
仮に25億円なんて難しいだろうなと考えられれば決算前に株価は下げていくでしょうし、25億円のラインで満足できない人が多ければ期待感から株価もやたらに上がりやすいと思います。
こういった期待感は決算後の動きにも関係するので、市場にその銘柄がどう捉えられているかを考えていくことは決算前後において重要です。
平たく言えば、決算前に売る人と買う人のどちらが多そうかを考えるわけですね。
決算前に下がるのは短期勢の仕業かもしれない?
良くも悪くも、人気銘柄の決算前に参戦してくるのは短期売買を生業としている投機家達です。
例えば業績予想が悪い銘柄では、株価が事前にかなり下げることもあるでしょう。
この流れに乗って利益を出したいのが短期勢の考え方ですので、この下げの勢いの裏には短期的な空売りが潜んでいる可能性はあります。
ただし、短期勢は決算後の目標達成で空売りを利益確定(株の買い戻し)することも十分あり得ますよね。
したがって決算内容が悪くても場合によっては株価がショートカバーによって上がる可能性もあり、決算前後の動きには短期勢の思惑も関係していると言えるでしょう。
決算前にも後にも、こういった色々な立場の人達がそれぞれの思惑を持って臨んでいることを忘れてはいけません。
これらが複雑に絡み合う状況を読み切るのは難しいですが、どういった思惑が一番強そうかを考えることが大事ではないでしょうか。
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株価が業績を「織り込む」とは
決算前に株価の動きで重要なキーワードとなってくるのが「業績の織り込み」というものです。
株価が業績を織り込む状況とは「実際にその業績を達成した時と同じ水準まで株価が先行して動くこと」を言います。
例えば、現状の株価から好決算予想を織り込む値動きは・・・
こんな感じで決算発表前の段階で、四半期ごとに発表される業績と同じ水準まで株価がどんどん上がっていくわけです。
上図ではわかりやすく直線で株価の動きを表し、積み上げる業績も均等にしていますが
- 実際にはこんな単純な流れにはならない
- 四半期決算ではなく通期予想に向かって株価が織り込まれる
と考えて良いでしょう。
ちなみに、株価の織り込みが進みすぎてしまった場合には・・・
このように決算発表後(もしくは前)のどこかで、適正水準への調整が入ることも考えられますね。
好決算がどんどん続いていけばより先の業績予想に向かうので株価の乖離も大きくなり、PERが100倍近くになることは成長株でよくある話です。
ただ、成長株としての期待感が大きくなればなるほどハードルが高くなることを知っておかなければなりません。
成長株として期待されていても、大体の場合はどこかで高すぎるハードルを超えられずに調整が入るはずです。
これは好決算発表前後に株価が下がるパターンでよくあるもので、しっかりとした日柄調整後に拾うケースだと思います。
決算前にはこういった「株価が業績を織り込んでいく動き」がよく見られるので覚えておくと良いでしょう。
決算前のイベントにも思惑は影響される
企業が出した業績予想は必ずしも達成されるわけではなく、突然のイベントによって未達になることもあります。
このイベントには色々な種類があり、わかりやすいもので言えば
- 大型台風による広範な被害
- 火事など不慮の事故
- 天候による原料の不作
など生産性が低下するような出来事があるでしょう。
仮にこういったイベントが決算発表前に起きれば、いくら好業績予想だとしても関連銘柄を持っている人達は
- 売上高が予想よりも減るのではないか
- 進捗率に影響して、これから下方修正が出るのではないか
といった思惑を出し始めます。
すると大抵は決算発表に先行して株が売り出されるので、こういったケースでも決算前に株価が下がるわけですね。
例えば、この記事を書いている2020年3月では「新型コロナウィルスが世界的に流行している」というイベントが起きています。
これはどの企業も事前に察知することは不可能でしたが、
- SARSよりも感染者数や死亡数が多い
- 先進国でも蔓延していて、実態経済に影響が出ている
- 実際に売上高が低下して業績に影響が出る可能性が高い
という状況です。
流行している3月は本決算シーズンで実際の数字が発表されるのは5月頃ですが、それよりも前段階で株価が下がっている企業は多いですね。
ここで考えたいのは新型コロナウィルスによって
- 実際の数字にどの程度の影響が出るのか
- どの決算期にまで影響が及ぶことになるのか
ということでしょう。
今回の世界的な流行は2019年12月末頃から言われていましたが、急激な拡大は年明け以降というイメージです。
ということは1月~3月、つまり3月本決算企業で言うところの「第4四半期の売上高」に影響が出ている可能性がまず考えられますね。
それがどの程度なのかは色々なセクターで実際の数字を見ないとわかりませんし、仮にここからもう半年ほど事態が収束しなければ来期の中間決算以降まで影響が出てもおかしくはありません。
市場もこれを懸念して先行的に売り出していますが、ここでさらに考えたいのは「この売上高低下がどこまで株価に織り込まれているのか」ということです。
株価の織り込み具合の判断は難しい
新型コロナウィルスの影響で日経平均株価は・・・
ここまで暴落しました。
この株価水準は、2016年のトランプ相場より前の価格帯ですね。
個別銘柄の中にも2016年の水準まで暴落している株がありますが、市場は2016年の水準まで業績が落ち込むことを考えているのでしょうか。
仮に、これから出てくる通期決算結果や来期予想が2016年の水準よりもかなり高ければ市場も安心して買い戻しそうですが・・・正直決算や補足資料が出揃わなければイメージが湧きませんよね。
短期売買はその限りではないですが、長期的な株価の戻りを狙いたい場合に大事なことは
- 今の段階で下手に手を出さないこと
- 新型コロナウィルスの影響が小さいと考えられるセクターを選んで売買すること
でしょう。
せめて夏頃までは様子を見て、実際の影響や状況を数字で判断しながらゆっくりと平穏を取り戻したいものです。
まとめ
いかがでしたか?今回は決算前の株価の動きについてお話しました。
株価を動かすのは業績推移に間違いありませんが、実際の値動きでは市場がどのようにその銘柄を捉えているかが大事です。
業績予想に対する思惑が強ければ織り込み具合も大きいでしょうし、ダメだった時の調整も強いと考えられます。
決算前の動きには突発的なイベントも影響するので読み切るのは難しいですが、影響度合いを考えながら判断していきたいですね。
関連記事には
がありますのでご参考ください。それではまた!