どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株式投資では「需給」と呼ばれる概念が非常に重要ですよね。
需給に関しては色々な解釈ができますが、
- その株を欲しいと感じる
- 買わずにはいられない
といった投資家の心理が考えやすいと思います。
要するに人気がある株ほど買われますし、売り叩かれたあとは買われて上がることを繰り返すのでしょう。
そんな株の需給を教えてくれる格言のひとつに「閑散に売りなし」というものがあります。
これは非常に有名な格言かつ重要なことを教えてくれていますが、実際にその意味をチャートから考えている人も少ないのではないでしょうか。
この記事では
- 閑散に売りなしの意味を考える
- その意味をチャートに当てはめてみる
といったことをしました。
株をやっていてよく見かける状況だと思いますので、ぜひご参考ください。
閑散に売りなしの意味とは
まず「閑散に売りなし」という相場格言の意味をお伝えします。
一般的にこの格言では
- 株価が下がって売買が細ってくると相場が閑散となる
- そういった状況では株価が中々動かず、保有していると効率が悪いのではと手放したくなる
- しかし、実際にはその閑散相場は売りの出尽くしである可能性が高い
- 売り枯れの状態ではわずかなきっかけで相場が反転しやすく、その勢いも大きい
- そういった旨みがある状態で保有株を手放すことは愚かであり、やってはいけない
といった意味を示していることで有名です。
外部参照リンク:野村証券|閑散に売りなし
株初心者さんでは「閑散」とか「閑散相場」といった言葉すらあまり聞き慣れないかもしれませんね。
また、中には悪い意味で捉えている方もいるかもしれません。
しかし、実際にはこの短い文言の中に上記のような流れが詰め込まれていて、株は需給戦であることがよくわかります。
特に大事なのは「売り枯れ」と呼ばれる状況を思い浮かべられるかどうかではないでしょうか。
売り枯れとはいわばふるい落としの一種で、一般的には長期的な相場を想像するものです。
個人的な勝手なイメージでは、それをもう少し手短な期間(数か月とか半年とか?)で考えると「閑散に売りなし」になる印象があります。
もしくは地合いの影響で色々な株が下がり、市場の雰囲気がとても買う空気ではない状態などでしょうか。
基本的には売り枯れと閑散に売りなし状態は同じようなことで、最終的には静まり返った状態で株価があまり動かないような状況を思い浮かべやすいですね。
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空売り目線での解釈
閑散に売りなしは空売り目線でも解釈が可能だと思います。
というのも閑散相場に差し掛かるには、その前に大きめな下げ相場が必要ですよね。
投資家の心理としてはそういった下げ相場を見ると、ついつい空売りを仕掛けたくなるものでしょう。
しかし実際にはそこから閑散相場へと移行して、とても空売りで利益を得られるような時ではないと考えられます。
したがって閑散に売りなし、閑散相場で売り仕掛けなんてするものではないと解釈できるのではないでしょうか。
ちなみに閑散相場から急騰した場合には、
- 早期空売り勢の利食い
- 後期空売り勢のロスカット(踏み上げ)
が関わっている可能性もありますね。
類似した意味を持つ格言とは
閑散に売りなしは有名な格言ですが、類似した格言もあります。
それは
- 人の行く裏に道あり花の山
- 十人が十人片寄るときは決してその裏くるものなり
- 幽霊と相場は寂しいほうに出る
といった相場格言ですね。
「人の行く裏に道あり花の山」とは大衆と逆方向に動けばそこに利益が待っていますよという意味で、非常に有名な格言として知られています。
「十人が十人片寄るときは決してその裏くるものなり」とは皆がそちらの方向だと思っている時は、逆方向に動きますよという意味。
「幽霊と相場は寂しいほうに出る」は相場師は誰もいないような銘柄でひっそりと買い集めて利益を得るという意味です。
どれも投資家から人気の出ないような場面にこそ旨みがあって、逆に動くことを示唆している格言ではないでしょうか。
閑散に売りなしと類似した格言で、どれも深い意味が込められていますね。
反対の意味を持つ格言とは
逆に、「閑散に売りなし」とは反対の意味を持つ相場格言もあります。
それは「割高に売りなし、割り安に買いなし」といった格言ですね。
これは言葉通りの意味で「割高の株は売りたくなり割安の株は買いたくなりがちだが、安易な考えで逆張りすると思わぬ損をする」という意味で知られています。
一見すると真逆の意味ですが、厳密に言えば若干違っている部分もあるでしょう。
後述するチャートで見ればわかりやすいのですが、閑散に売りなし状態では株価は横ばい状態になるのが普通です。
割安に買いなしのイメージは急落している株、のような印象がありませんか?
格言のイメージは人それぞれですが、個人的にはそう感じてしまいます。
急落の真っ最中とヨコヨコで株価が動かない無風状態は正反対とは言えないので、若干のズレがあるかもしれません。
ちなみに、個人的には「割高に売りなし、割安に買いなし」はちょっとだけ疑っています。
閑散に売りなしをチャートで考える
では実際のチャートで閑散に売りなしを考えてみましょう。
まず「閑散」という意味は出来高が激減すると捉えます。
また、閑散に売りなしの流れは下げ相場のあとにくることがポイントです。
下げ相場から保ち合いに入り、そして売りが枯れていく(出来高が細っていく)からこそ後に上げ相場がくるわけですからね。
それを考えると・・・
こういった上げ相場のあとに保ち合う形や、出来高が細っていかないパターンは違うと言えるでしょう。
どちらかと言えば・・・
こんな感じで底這いを続ける銘柄をイメージした方が良さそうです。
閑散相場になるかなり前には株価が高い位置にあったようですが、そこからひゅーっと株価が下落していますね。
また、赤枠の時点ではまだ下げ止まるかはわかっていない状況ですが、出来高が増加傾向になっていることが気になります。
そこから底這いに入り、所々でぴょこぴょこ出来高が飛び出て、やがてその出来高もかなり激減しました。
最後は出来高がどかーんと爆発して急騰する流れです。
この流れにおいて閑散に売りなしを示すのは赤枠以降の底這い期間でしょう。
ただし、ここで大事なことは人為的に売り叩いた結果としての下げということかもしれません。
ここからどれくらいの期間で売り物が一巡するかは銘柄によるのでしょうが、保ち合いが長引くほど
- 売りたい投資家は増える
- 大半の投資家は見向きもしない
- チャートを見た時に売りと判断する
といったことは言えそうです。
また、もしもこの銘柄が期待感が残りつつもずーっと上がらずに渋っている状態だとしたら、逆に買いたい投資家は溜まってくるのかもしれません。
そこから動意づくことで
- 買いたくてうずうずしていた投資家
- 元々売り込んでいた投資家
- かつて損切りした投資家
がこぞって新規買いや買い戻しを行う上昇相場が始まるのでしょう。
「閑散に売りなし」とは、この流れを指していて後の上昇に備えて売るべきではないと教えてくれている格言と言えます。
保ち合い相場をブレイクした所に注目する
このチャートを見ていて思ったことは、
- 底這いから深堀りするパターンが一番のリスク
- 底這いがいつまで続くかわからないことは資金効率を下げる
ということですね。
閑散に売りなし状態は後に上げ相場になるのかもしれませんが、少額資金では中々市場にお金を置いておけないわけです。
近いうちに上がれば良いのですが、資金効率を考えた場合には保ち合い相場を脱したタイミングを逃さないことが大事でしょう。
したがって・・・
こんな感じのブレイクを合図に飛び乗ることは一つの手と言えそうですね。
閑散に売りなし状態にある銘柄をリストアップして、根気強くブレイクを監視してみるのは面白いと思います。
まとめ
いかがでしたか?今回は閑散に売りなしという相場格言の意味をチャートから考えてみました。
逆張り的な考えではありますが、出来高が閑散を示して株価が横ばいになったチャートは旨みがありそうですね。
売り枯れ状態となった銘柄はその後の上げ相場を想定して監視しておくと、良いタイミングで急騰を掴めるでしょう。
ただし閑散時期がどれくらい続くかはわからないので、根気も必要だと思います。
関連記事には
がありますのでご参考ください。それではまた!