悪材料出尽くしとは?下方修正で買いと言われる原理を知ろう!

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

株式投資をしているとやたらに悪材料が頻発する銘柄を見かけます。

しかし、やがて株価が反発すると「悪材料が出尽くした」なんて表現も聞きますよね。

この記事では

  1. 悪材料出尽くしの流れはどういったものか
  2. そもそもなぜ悪材料の出尽くしが起きるのか
  3. そういった銘柄は買うべきなのか

といったことを書きました。

ここは考えが分かれそうな部分ではありますが、ひとつの考え方としてご参考下さい。

    

株における悪材料の出尽くしとは

「悪材料の出尽くし」とは、簡単に言えば株価が下がりに下がった時に起きる現象です。

具体的な流れとしては

  1. 業績低迷やセクター内のネガティブニュースなどで下降トレンド入り
  2. 下落基調が長引く間にも悪材料が続く
  3. 株価がそれなりに長い期間調整される
  4. 悪材料に株価があまり反応しなくなる
  5. 悪材料でむしろ反発する

といったものですね。

これはあくまでイメージですが、悪材料が続いた後に株価が反発するという状況に変わりないでしょう。

株式投資の世界では、一度悪い流れに入った銘柄に悪材料が続くことは珍しくありません。

この背景には

  1. 各業界には浮き沈みがある
  2. 停滞期にはセクター全体で悪い風潮が広がりやすい

といったものもあるでしょうし、場合によっては企業側にも「今のうちに悪い発表は出してしまえ」という考えがあるかもしれませんね。

ひどいときにはかなり古い話題を「最近発覚しました」と出してくるので、もっと早くわかっていただろと突っ込みたくなります。

悪材料に株価が反応しなくなる理由

悪材料が続くとどういったことが起きるかというと、市場がやたらに不安がります。

「え?それだけ?」と感じますか?

株式市場ではこういった市場参加者のセンチメントが非常に大切です。

必要以上に保有者が不安になった銘柄では売り急ぐ人が多くなり、その具体的な行動は「成行売り」ですね。

成行売りはどのタイミングで出しても約定する注文方法ですから、短期間で株価が急落しやすいでしょう。

それをきっかけにトレンド転換が発生し、長期的な下落となることも十分にあり得るわけです。

最終的には株価が下げすぎた状態になり、悪材料の多くが株価に織り込まれた状態になると考えます。

悪材料が株価に織り込まれれば、そのネガティブニュースは既知の情報となるので反応しなくなるという仕組みではないでしょうか。

また、「悪材料が出尽くした」・・・正確には「直近で考えられるネガティブニュースはこれで終わりだと考えられた時」に株価は下げすぎた反動で自律反発するというわけです。

悪材料出尽くしの例

ではここで「悪材料が出尽くし」の実例を見てみましょう。

今回とりあげるのは家電量販店で有名なビックカメラです。

ビックカメラの長期下落

2018年7月頃から株価が軟調になり始め、2019年9月まで長い下落期間となっています。

この背景には消費税増税やインバウンド消費の低下思惑などがあり、実際に2019年10月には通期業績予想を下方修正しました。

通常であればここで株価が上がることは想像しづらいですが、ビックカメラは・・・

ビックカメラの悪材料出尽くし

このように悪材料の出尽くしで株価が反発する流れに入ったわけです。

ここでのポイントは

  1. 1年もの長い下落期間があった
  2. その間にも色々なネガティブニュースが出た
  3. その結果として業績低迷が思惑として浮上した
  4. 実際に下方修正で思惑が事実に昇華された

という点ではないでしょうか。

この時の反発理由にも「1年もの下落期間によってネガティブニュースが十分に織り込まれた」という考えが多く、まさに典型的な悪材料出尽くしの流れです。

悪材料出尽くしは買いなのか

ここで気になるのは「悪材料出尽くしは買いなのか?」という点ですよね。

ビックカメラの場合、悪材料出尽くしと言われてから3~4ヶ月ほど株価上昇が続きました。

ただ、個人的には悪材料出尽くしで買うのは止めた方が良いと思います。

正確には「短期的な需給状態としては買いだが長く保有することはおすすめできない」という考えです。

何かしらのネガティブニュースによって売りたくなる保有者は一定数存在していて、それらの売り注文が出尽くしたとすれば確かに株価は上がります。

しかし、その銘柄に「悪材料が多い」という点を忘れてはいけません。

例えそれまでに出ている悪材料が株価に織り込まれたと言われても

  1. 本当にそうなのかは誰にもわからない
  2. そこから新規材料が出る可能性もある
  3. 長期保有するなら業績懸念が少ない企業の方が良い

という考えが私にはあります。

株で資産形成したければ常にまともな株を買うべきで、不安要素だらけの銘柄は敬遠したいところでしょう。

また、長期的な下降トレンドには何度か戻り高値があるものです。

先ほどのビックカメラも・・・

ビックカメラの戻り高値

このようにいくつか戻り高値を形成していて、悪材料出尽くしと言われた時期はそのひとつにすぎませんでした。

そういった意味では、悪材料出尽くしの流れに乗るなら

  1. さっと乗って
  2. さっと逃げる

のが正解かもしれませんね。

一応言っておきますがビックカメラは悪い銘柄ではないですし、魅力的な要素もあるので買いたい人も多いでしょう。

ただ、悪材料出尽くしと言われたから買うのは止めた方が良いです。

買い根拠は「これこれこういう理由で売上高は戻るだろう」など、もう少し具体的で期待値が明確なものが好ましいと思います。

ちなみに、中にはよくわからない株価反発を悪材料出尽くしと呼ぶケースも見受けられますよね。

値頃感だけで買ってしまうと後悔しかねないので十分に注意した方が良いでしょう。

株価が長期的に下落するには必ず理由があるので、もし買うのであればそれがどのようなものなのか調べることが第一です。

仮に業績が長らく低迷していて、復活の兆しも見えていないのに株価が反転したらどう思いますか?

次の決算も、そのまた次の決算も悪いかもしれません。

市場がどんな悪材料を最も懸念していて、それが払拭され始めた段階が最低ラインではないでしょうか。

確かに乗り遅れることもあるでしょうが、それまでに十分値下がりしているのであれば遅すぎるということは少ないです。

出尽くしを簡易的に確かめる方法

ここまで悪材料の出尽くしについて述べてきましたが、これを簡易的に確かめたいのであれば地合いがすこぶる悪い日の値動きを見てはいかがでしょうか。

それまで大きく下げてきて売りがかなり減っている場合、地合いが悪くてもあまり反応しないことがあります。

そういった傾向が強ければ短期的な売りがかなり減っている可能性があり、出尽くしのタイミングは近いでしょう。

ただ、地合いのトレンドが完全に下方向になってしまうとさらに売りが絞り出されかねないので、あくまで簡易的に判断しているに過ぎません。

基本情報としては継続的な監視とザラ場の動き、出来高推移などが大事です。

好材料でも同じ事が起こる

ところで、材料の出尽くしは好材料でも同じことが起こります。

好材料の出尽くしでは

  1. 株価が長らく上昇基調を継続する
  2. その間に好材料が頻発して株価が反応する
  3. やがて株価が材料に反応しづらくなる
  4. どこかの好材料で反落して調整される

といった流れでしょう。

悪材料と同じく株価が材料を織り込むことで反応が鈍くなり、最終的には好材料が出ても株価が下がるわけですね。

株価が上がってきたことを考えると売りの性質としては「利益確定」が主な目線になります。

例えば最近ではワークマンが・・・

ワークマンの材料出尽くし

このように2年間に渡る株価上昇から一転して下落基調になり始めています。

下落開始時期は既存店売上高が悪かったわけでもないですし、むしろ台風の影響などで需要増加が見込まれていました。

しかし、株価的にはさすがに上がりすぎということで利益確定の流れが強まった流れなのでしょう。

ただ月足レベルのトレンドでは・・・

まだ完全には崩れていなさそうなので、日足の下げ止まりをチェックしながら買い場を探す人もいそうですね。

まとめ

いかがでしたか?今回は悪材料出尽くしについてお話しました。

「出尽くし」は材料がしっかりと株価に織り込まれた状態で生じる現象であり、短期的な逆行を引き起こします。

数ヶ月ほど反発が継続することもありますが、銘柄背景としてはあまり良いものではないかもしれません。

悪材料出尽くしが下降トレンドの戻り高値となる可能性もあるので注意したいところですね。

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