どうも、ひげづら(@higedura24)です。
配当利回りは企業の株主還元姿勢を表すものの一つであり、個人投資家が重要視するものと言えます。
昨今の国内株式市場では株主還元への声が高まり、それに伴って配当利回りも少しだけ底上げされたようです。
配当利回り3%超えの銘柄も珍しくなく、長期的に複利運用することで大きな資産形成も可能でしょう。
そこで今回は
- 配当利回り4%の大型優良株
- 毎年100万ずつ入金する
- 10年継続投資
という条件で資産形成を試みた場合のシミュレーションを行ってみました。
ちなみに大型優良株は時価総額が大きくて、業績が成熟している株を広く指しています。
大型株であることによって新興株より配当利回りが安定しやすく、株価も一定の値幅で推移しやすいため一応言葉として使用しました。
本来であれば大型株の定義はちゃんとあるのですが、今回は便宜的に無視しましょう。
簡単ではありますが、これらの条件をベースに色々と条件を追加して検証すればかなり面白いと思います。
大型優良株の高配当利回りを活用して資産形成を考えている方の参考になれば幸いです。
高配当大型優良株に10年間長期投資したらどうなるのか
では早速ですが、冒頭でお伝えした条件にてシミュレーションをしてみましょう。
今回は国内株の中では少し高めですが、4%の高配当利回りを想定しています。
また、原資100万円に対して
- 毎年入金100万円
- 毎年入金150万円
- 毎年入金200万円
の3パターンで比較してみました。
その結果、10年後の資産額と最終配当額は・・・
こんな感じですね。
表を説明すると、まず0~1年目の資産は100万スタートかつ配当利回り4%(配当額4万円)をもらって横並びです。
そこから2年目には「それぞれの入金額を足して、その状態で配当利回り4%を付加した額」が書かれています。
同じ計算を10年目まで行ってみたらどうなったか・・・が単位万円で書いてあります。
結果としては100万円の原資が、配当利回り4%の複利効果を10年享受かつ入金による増額によって
- 入金100万円:資産額1248万円、最終配当額49.9万円
- 入金150万円:資産額1798万円、最終配当額71.9万円
- 入金200万円:資産額2349万円、最終配当額93.9万円
まで成長したわけです。
単純に入金額を貯金した場合よりも248~349万円資産が増えている結果と言えますね。
当然、入金額が大きいほど増額率も大きいです。
高配当株に継続的な値下がりが生じた場合
ただし、上記の結果は株式資産の値動きを抜いて考えているので、単なる複利計算表でしかありません。
そこで、毎年10%の値下がりが継続されたケースを見てみましょう。
配当は得られたけどキャピタルゲインではマイナスで、それを入金投資法で底上げしていくというシミュレーションですね。
メンタル的にはかなりつらい想定ですが、それでも通常の貯金より資産が増えるのか気になります。
その結果がこちらです。
条件は
- 株価2000円からスタート
- 1年ごと10%値下がり
- 入金100万円
としています。
値下がり後資産は前年度の資産額を10%マイナスしたもの。
追加株数は値下がり後の株価で計算し、100万円で追加できた株数。
急いで作ったので配当額の欄がふたつありますが、左は「1株配当額」で右は「保有株数でもらった配当金額」です。
配当利回りは4%を維持させるために連続減配させています。
合計株数は年間配当額でも100万入金した分でも株を追加購入した総数を想定して計算しました。
ちなみに株数が半端ですが便宜上仕方なく、現在は単元未満株というサービスもあるので無視しています。
これを10年続けると、
- 株価:774円(2000円から61.3%の値下がり)
- 資産額:約772万9000円
- 最終配当額:約27万1600円
という結果ですね。
株価が10年間ダダ下がりして減配をくらいまくった場合、普通に貯金した方が230万くらい多く資産形成できるわけです。
ただ、これだと「大型優良株」という条件に当てはまったシミュレーションではないような気がしてきました。
当初は業績が良かったのかもしれませんが、そもそも株価が10年間も下がり続ける銘柄に投資しないですからね・・・。
実際の大型高配当株から株価推移を参考にした場合
というわけで株価データだけは実際の銘柄から拝借してシミュレーションし直してみます。
実際の高配当利回りな大型優良株には・・・
こんな月足をしている銘柄があります。
一言で表すと「底這い圏でボックス推移」です。
株価2000円から4000円を行ったり来たりしているので、これを参考に500円刻みで株価を動かしたシミュレーションをしてみましょう。
その結果が・・・
こちらです。
株価2000円からボックス推移させてみたところ、保有株数が3700株まで増えました。
配当4%を維持してくれて、株価も一定の範囲を維持すれば最終的には資産が125万増える結果ですね。
ちなみに配当利回り4%にこだわらず、10年間増配はあっても減配はないケースだと・・・
こんな感じです。
実はこの1株配当の推移、参考にした銘柄の推移に近いものがあります。むしろ実際の方が少し良いくらいですね。
結果としては普通に貯金するよりも208万円増えていて、最終配当額も63万を超える状況となりました。
「10年かけて着実に資産を増やしつつ20%のリターンを得て、減配さえなければ63万の不労所得がもらえる状況」とも言えますね。
余談ですが保有株数3945株(1200万円分の株式)ともなれば、株価が100円動いただけで資産が39万近く増減するのでかなりメンタルが鍛えられます。
大型優良株の高配当積み立てシミュレーションでわかったこと
今回のシミュレーションは簡単なものですが、いくつかわかったことがあります。
それは
- 年間配当額も投入していかないとダメ
- 株価がダダ下がるようなボロ株では入金しても無駄
- 株価は右肩上がりでなくても、ボックス推移であれば資産は増える
- 減配されないという要素はかなり大事
ということです。
今回は配当も全て再投資する複利運用でシミュレーションしましたが、もし入金のみで運用したら大したパフォーマンスは出ないでしょう。
また、入金をいくらしても株価の下げにはそう簡単には敵いません。
大型優良株であっても業績が良いとき悪いときがあり、それでも株価が一定の値幅で安定していれば着実に資産は増える結果でした。
それにボックス推移の高値ではキャピタルゲインもかなり乗っているはずです。
これが右肩上がりで株価が推移してくれる銘柄なら、今回の結果より何十%も良いリターンとなるでしょう。
配当利回りが一定に保たれると減配も入ってきますが、減配がないケースではそれだけでかなりリターンを底上げしてくれたことは印象的ですね。
まとめると、一般的に言われている
- 大型株で一定の業績と株価を維持
- 連続増配銘柄
- 配当再投資の複利運用
は高配当株への長期投資に想像以上の効果があるという結果だったと感じました。
やはり基本に忠実な株式投資は強いということなのでしょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は高配当利回りな大型優良株に長期投資した場合のシミュレーションをしてみました。
簡単ではありますが、それなりに大事なことが再確認できた結果だったと感じます。
複利運用や株価・業績の安定性、そして配当維持・連続増配は忘れてはいけないキーワードです。
大型優良株で高配当投資するなら、これらに注目して行っていきたいですね。
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