首吊り線は有名な天井シグナル!上昇中の長い下ひげなのになぜ!?

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。株式投資の世界では、「長い下ひげを見たら買い」というローソク足の見方が一般的です。

しかし、実は長い下ひげであっても発生する位置によっては売りシグナルの可能性があります。この記事ではそういった「首吊り線」と呼ばれるローソク足の見方について書きました。

シンプルなお話ではありますが、対応に悩むことも多いローソク足です。実例を交えて解説しましたのでぜひご参考ください。

    

首吊り線とは高値圏での長い下ひげローソク足のこと

まずこちらをご覧下さい。

図の長い下ひげを持った陽のカラカサを「首吊り線」と呼びます。

首吊り線の一般的な特徴は

  1. それなりに長い上昇の末に発生する
  2. 寄りつきはギャップアップから始まる
  3. 大きく下押し、そこから寄り値付近まで戻す
  4. 下ひげが長いほど(下落幅が大きいほど)天井の可能性が高い

という点が挙げられます。

実際の相場では窓開けしていなくても首吊り線と意識されることもありますが、窓開けは

  1. 当日の寄りつき時点では買い意欲が高かった
  2. 新規材料(決算や提灯記事など?)

といった可能性を意味します。

しかし、そこから大きく下押したということは「その価格帯を高い(利確ライン)と考える市場参加者が多い」ということの裏返しでもあるわけです。

長い上昇局面なので損切りによる大幅下落ではなく、ほとんどが利食いによる売りだということも大きなポイントでしょう。

大きな下押しがきたため「寄り値付近まで戻す押し目買い」が見られるものの、大口目線では利食い売りを経ているので市場心理としては買い意欲が減った状態です。

したがって首吊り線を確認したら手仕舞いとまでいかなくても、ポジション整理を考える局面にはなるでしょう。

首吊り線の信頼性を上げるために

前述のように、首吊り線の基本的なポイントを全て網羅していなくても「類似状況で首吊り線と判断されることは多い」です。

そのため信頼性を担保するために見るポイントを自分なりに考えておくと良いでしょう。

例えば、

  1. 窓開けの有無
  2. ローソク足実体に対する下ひげの長さ
  3. 相対的な出来高水準
  4. 週足や月足で発生しているか
  5. 大規模な仕手株相場か

といった要素が考えられます。

市場参加者が過熱感を感じ、「ここは売っておきたい価格だ!」と考えるという意味では移動平均乖離率も見ておくと良いかもしれませんね。

首吊り線の注意点

ここまでのお話は教科書的な内容であり、実際にそうなることが多いとは感じます。

大きな下ひげを引くということはそこでそれなりの売りが出なければなりませんし、まだ上がると考える人が多ければ追随売りも出づらいからです。

しかし色々なチャートや銘柄背景があり、どうしてもその全てが首吊り線となるわけではありません。

テクニカルはその性質上、その他の概念には負けてしまいます。

個人投資家の多くを巻き込んだ全員参加型の仕手株相場や、流動性を持った浮動株が極端に少ない状況では首吊り線は意味をなさないのでしょう。

浮動株の多くを特定の集団に握られていた場合、寄りつきのギャップもその後の深い下押しも演出することは可能ですよね。

トリガーを操れるとすれば、

  1. 提灯記事と併せて売り抜ける
  2. 有名な概念を逆手に再度集める

どちらもあり得るのかなと感じます。

首吊り線はそれなりに信憑性が高いものではありますが、盲信せず「どう転んでも対応できるようにポジション調整する」ということが重要です。

首吊り線の実例解説

では首吊り線の実例を見ていきましょう。

オーソドックスな首吊り線の実例

こちらをご覧下さい。

これは底値から大きく上昇したあと、その最後にオーソドックスな首吊り線が青枠部分で発生した例です。

この首吊り線のポイントは

  1. 窓開けで寄りついた
  2. 直近水準で爆発的な出来高
  3. 首吊り線前の値動きに「三空踏み上げ」

という点が挙げられますね。

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値動きの流れから過熱感や高値で大きく売りが出たことが感じられ、警戒する局面だとわかりやすい例でしょう。

その後の値動きは・・・

首吊り線を目安にもみ合った後、ほぼ全戻しする流れとなりました。

オーソドックスな例をもうひとつ見てみましょう。

これはわずか半月で株価が倍になったチャートで、この時期に活況するセクターに所属しています。

首吊り線部分は図の青枠で

  1. 爆発的な出来高
  2. 大幅なギャップアップ

という特徴を持っていますが、その直前の大陰線にまずは注目するべきです。

この下げから盛り返したローソク足こそ首吊り線であり、おそらく多くの方が強さを感じるのではないでしょうか?

しかし実際には・・・

翌日の高値更新の寄り付きから大陰線を引き、このように下落する流れとなりました。

首吊り線はその形状から強さと取られがちですが、実はこのとき

  1. 首吊り線より前に大きな売りを見ている
  2. 25日移動平均線から80%近い乖離率

という状況でした。

首吊り線の形状に惑わされず、冷静に状況判断しなければならない良い例だと感じます。

首吊り線の大引け直前にポジション調整を行い、その翌日の大陰線で手仕舞いがベターですね。

PERを無視して上がり続けたグロース株の実例

こちらをご覧下さい。

これはあるグロース株の月足チャートです。

短期で底値から5倍以上になり、その最後に青枠部分で首吊り線に類似したローソク足が発生しています。

この首吊り線は窓開けで始値がついているわけではありませんが、

  1. 直近で最大の出来高と下ひげ
  2. 9ヶ月ぶりの陰線
  3. 月足での首吊り線発生
  4. PERが200倍

という点から警戒する必要がありました。その後の値動きは・・・

首吊り線の値幅や安値を基点にヨコヨコ推移したあと、株価はおよそ半分になりました。

この例では上髭がついていたり、窓開けをしていなかったりしますが考え方としては首吊り線で良いと思います。

大相場となり首吊り線を無視した仕手株の実例

首吊り線が複数回出てもことごとく通用しなかった例を見てみましょう。

図のポイントとしては

  1. 赤枠部分:足長同時線で拮抗を示唆
  2. 青枠部分:首吊り線で弱さを示唆

ということが挙げられ、一度売りを警戒する局面だと考えられます。

実際にこのとき私も売る選択肢を取り、様子を見ていました。しかし・・・

その後の値動きは首吊り線を否定して高値更新というものでした。

また、黄色枠部分で新たに首吊り線が発生しましたが・・・

これも否定される値動きになっていますね。

結局株価は首吊り線を無視し、わずか数ヶ月で20倍となる結果になったので本当に驚きです。

この銘柄はTwitterで大きく話題となっていた銘柄で、「みんな現物でホールドして空売りに備えよう!」といった流れがありました。

そういった銘柄背景では首吊り線などのテクニカル分析は意味をなさないようです。

まとめ

いかがでしたか?今回は首吊り線についてご紹介しました。

上昇局面で長い下ひげが発生するので、強いと感じることもあるでしょう。

しかし高値で大きな売りが出たという事実を冷静に判断し、少なくともポジション調整は行った方が良いですね。

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