どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株式投資の世界には
- 指値注文
- 成行注文
という2つの代表的な注文方法があります。
これらを軸に色々な注文方法が展開されているわけですが、初心者さんの場合はどっちを使うべきでしょうか?
この記事では指値注文と成行注文の特徴を述べながら、初心者さんがどっちを活用していくべきかを述べました。
ちなみに解説は買い注文の例でお話しています。
どちらも向き不向きがあるので、ポイントを抑えつつうまく活用していきましょう。
指値と成行どっちが初心者向けか
株初心者さんでも、玄人でも注文方法はみな共通しています。
指値だろうと成行だろうとそれぞれに特徴があって、そこを理解しながら使い分けをしていくことが重要です。
したがって結論としては「株初心者だろうとどっちも使うべき」だと思います。
初心者さんの中には成行注文しかしない方もいらっしゃるようですが、これを機会に指値注文にも挑戦してみてください。
初心者さんがどっちも使えるように、指値と成行注文それぞれの特徴を見てみましょう。
指値注文のメリットデメリットとは
指値注文は「約定させたい価格を指定して、その価格かそれより有利な価格で約定させる注文方法」です。
外部参照リンク:SMBC日興証券|指値注文
例えば、現状の株価が100円だとします。
このときに「株価90円で100株の指値注文」と出せば、株価が90円まで下がったときに約定してくれるわけです。
指値注文には
- 現状の株価に関係なく、希望する価格で約定させることが可能
- 現在値とかけ離れていても、設定期間内なら注文を置いておける
- 自分の想定内で売買ができ、思わぬ価格で保有することが少ない
- 指値価格よりも有利な価格で約定することはあっても、不利な価格はない
- 指値位置を考える事で値動きの転換点や、トレードの枠組みを必然的に想定する
といったメリットがあります。
指値を入れるシステム的なメリットは上から3番目までで、トレード技術としてのメリットは一番最後の点でしょう。
もしあなたが「この銘柄は株価90円付近が安値目安だ」と考えた場合、そこに指値注文を入れるわけです。
その場合は少なからず理由があるでしょうし、指値注文ですから自分が考える転換点で保有できるトレードになります。
ただし、指値注文には
- 実際にその株価までこなければ約定はしない
- 実際にその株価まできても、自分より先に指値をされていた場合は順番待ち
- 一方向に株価が進んだ場合には約定させづらい
といったデメリットがあります。
したがって、指値注文は
- 自分が想定している価格でしか約定させたくない
- 待っても良いから安く買いたい
といった場合に有効な注文方法と言えるでしょう。
成行注文のメリットデメリットとは
成行注文とは「その時に最も早く約定させられる価格で売買する」という注文方法です。
例えば、現状の株価が100円だとします。
その時、105円の売り板に100株置いてありました。
もしあなたがここで買いの成行注文を出したら、105円でこの株を買うことになるわけです。
同様に101円に売り板があっても、110円に売り板があっても、それより安い価格に売り注文がなければそこで約定することになります。
成行注文のメリットは
- どんな時だろうと売り板さえあれば約定できる
- 値動きが早くても、その瞬間の最良気配で約定できる
といった点が挙げられ、逆にデメリットは
- 現状の株価とどんなにかけ離れていても、売り板があれば約定してしまう
- 板が厚ければ良いが、薄い場合はとんでもなく不利な約定をすることがある
といったことが挙げられます。
指値がじっくり待って約定価格を調整するのに対し、成行注文はスピード勝負で約定させる性格があるわけですね。
成行注文にはリスクも隠れているので、どちらかと言えば指値の方が初心者さん向けの注文方法かもしれません。
指値と成行の使い分けのコツ
指値と成行は初心者さんであろうと、どっちも使うべきです。
両者は正反対というわけではないですが、それぞれの弱点を補い合うことができるからですね。
例えば、以下のような板が薄い銘柄に買いを入れたい場合はどうでしょうか。
この株価1286円という板状況に成行注文する場合、100株までなら1286円で取得可能です。
しかし、それ以上の売り板を見ると価格が飛び飛びになっているので
- 100株以上の成行注文を入れると1300円以上で約定
- 発注している間に1286円の100株が買われてしまうと、1300円以上で約定
という状況でもあります。
理想としては
- 現状の株価1286円に対して、14円の乖離が生じる可能性を回避する
- 1286円より有利な価格で約定させる
ことが求められるので、成行注文ではなく
- 1286円で必要数を指値
- 1281円~1286円に指値
といった対策が考えやすいでしょう。
ただし、どうしてもこの銘柄が欲しければ14円の乖離リスクを取って成行注文をします。
約定値と現在価格に大きな差が生じても、この銘柄が上がっていけば問題ありませんからね。
要するに今ここで銘柄を保有するメリットと、乖離リスクを比較して指値か成行どっちを選択するか考えるわけです。
初心者だからと言って成行しか出さないようだと、こういった考えに至ることはいつまでもありません。
不成と大引け不成を活用する
上記のように、板が薄いゆえに指値と成行どっちが最適か迷うこともあるでしょう。
指値注文をしても板が薄くて株価が動かず約定できないかもしれませんし、成行では無駄に乖離した約定をする怖さがあります。
そこでどっちも対策するために登場するのが
- 不成
- 大引け不成
という指値条件です。
不成は「指値注文を入れるが、前場引けもしくは後場引けに約定していなければ成行に変えて約定させる」というもの。
大引け不成は「指値を入れるが、大引けまでに約定しなければ成行に変えて約定させる」というものを言います。
要は指値も成行もどっちも使っている注文方法で、指値でねばりつつダメなら成行する流れです。
どっちのメリットも活用している注文方法なので、それなりに使い勝手の良い指値条件だと思います。
しかし、
- 指値が約定せずに株価が上がっていった場合、想定よりもかなり上で成行約定する可能性あり
- 想定に近い株価で成行約定したとしても、大引けの日足ローソク足が弱くなっている可能性あり
- 大引けの値幅制限が変更されたため、成行リスクが上がった
ということには注意が必要です。
1番目は高値掴みするリスクを述べています。
2番目の例としては「ザラ場で高値がかなり上まで伸びたあと、一気に下げた場合」などです。
この場合は日足ローソク足に長い上髭が伴っているので、スイング目線ではあまり良いものではありません。
3番目は確か2019年から変更された点です。
外部参照リンク:JPX|制限値幅の拡大
以前は「制限値幅+特別気配における更新値幅」まで約定可能でしたが、現行では制限値幅に追加される更新値幅が倍になっています。
JPXの提示する条件には「引けの約定ニーズが高まった場合、大引けに限り更新値幅を2倍にする」とあるので、
- TOPIXの入れ替え月などイベント売買で大引け不成をした場合
- スト高銘柄などに引け成りを入れた場合
では通常よりさらに思わぬ価格で約定する可能性があるので注意が必要ですね。
仮に数百円の銘柄でも、更新値幅が倍になれば数十円の差が生じます。
まとめ
いかがでしたか?今回は、初心者さんなら指値と成行注文どっちを使うべきかをお話しました。
結論的には両方使うべきで、それぞれの特徴を理解した上で効果的に使い分けをしたほうが良いと思います。
不成や大引け不成で併用することもひとつの手ですが、注意点もありますね。
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