どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株式投資では買った株が全て利益になるわけではなく、時に値下がり株となります。
値下がりするということは含み損を抱えるということであり、そういった株を
- そのまま保有するのか
- さっさと損切りするのか
はその人の考え方次第です。
一般的には含み損のまま長期保有される株を「塩漬け株」と呼び、ポートフォリオ内では邪魔者扱いされてしまいます。
この記事では
- 塩漬け株を作ってしまう心理
- 塩漬け株の根本的な原因と対策
- 塩漬け株の活用方法
- 既に塩漬け株を持っている場合の考え方
について書きました。
個人的には例外がありつつも、基本的なことが出来ていない投資家が塩漬け株を作ると考えています。
塩漬け株とは
最初に塩漬け株の定義について述べておきましょう。
塩漬け株とは、
- 買った株が値下がりして含み損となった
- 含み損のまま長期保有し、なおかつ上がる見込みがない
といったものを言います。
ざっくりと言えばこのような感じで、含み損の大きさについては明確な定義がないです。
したがって含み損が10万でも100万でも、上がる見込みがない長期保有であれば塩漬け株として認定して良いと思います。
ただし上がる見込みがあると考えて長期保有するのであれば、それは塩漬け株とは違ったカテゴリーになるでしょう。
塩漬けしてしまう心理とは
ではなぜ投資家は含み損を持った銘柄を塩漬け株と呼びながら、長期的に放ってしまうのでしょうか。
代表的な心理としては
- 今後もしかしたら株価が戻るかもしれない
- 確定しなければ資産が減っているわけではない
といったことが挙げられるでしょう。
例えば「一度この価格まできたのだから再度戻ってもおかしくはない」という文言はよく聞くもので、その気持ちと「もしかしたら一生戻ってこないかも」という不安を抱えながら葛藤している方も多いと思います。
- 現物で持っているんだしいつまでも永久に待つことができる
- この会社が再び日の目を浴びるまで頑張ろう
- 確定しなければお金が減ったわけではないよね!
こんな考えをしている方もいらっしゃるかもしれませんね。
個人的な意見としてはそこで半永久的にお金を拘束されるということは、その分だけ資金が減ったことと実質的に同義だと思うのですが皆さんはどうでしょうか。
これは新しく株を買えないという意味でもありますが、
- 趣味など好きなことに使えない
- 安定資産として保有できない
- 将来のお金としてカウントできない
といったことでもあります。
価値が戻るのかさらに下がるのかもわからない株で保有するよりは、さっさと現金化してより長期的な目線で有効活用した方が良いと考えてしまうのは私だけでしょうか。
また、塩漬け株が正しいかどうかの議論より「そもそも塩漬け株を作ってしまう根本的な原因がある」ということも問題だと思います。
塩漬け株の原因と対策
塩漬け株を生み出してしまう基本的な原因としては
- 売買ルールが固まっておらず、高値掴みしてしまう
- 売買根拠が乏しく、株価上昇要因もない
といったことが挙げられます。
売買ルールが固まっていない
株初心者さんが作ってしまう塩漬け株で多いのは「直近で盛り上がっていた成長株」でしょう。
長いこと上昇が継続されていた人気株を高値で掴んで、そのまま下落に巻き込まれているケースは散見されます。
例えばこのようなチャートはその最たる例です。
- 最初の上昇トレンドで出遅れ買い
- そこから下落に巻き込まれる
というケースか、もしくは高値更新すると読んで高値掴みしてしまったかという感じですね。
正直、人気のある成長株はある程度下落してから高値付近まで戻すことは多いでしょう。上記のチャートもそこまで悪いものではなさそうに見えます。
しかし塩漬け株を量産してしまう初心者さんは「なんだかよくわからないけど買っておいた方が良いらしい」という理由で買って巻き込まれているのでは?
そこに成長株だからとか、業績がどうだとか、今後の材料がどうだといったことはひとつもありません。
これこそが最も害悪な考え方で、考えなしの売買で遅かれ早かれ資金が底を尽きるでしょう。
まずは
- 自分がどのような会社の株を買いたいか
- 成長株の売買はどういった意識を持つか
- 損切りラインはどうするか
- 損切りしない場合、なぜそう考えるのか
- もし株価が上がったらどうするのか
といったことを考えるのが対策です。
また、塩漬け株は分類的には長期投資ですよね。
したがって、可能であれば保有時点から
- ある程度の上値がある
- 下値は限定的
という状況が欲しいところでしょう。
株価水準としては適正か割安が望ましく、PERなどの割安指標も確認しておきたいですね。
ただし、PERは業績が下がることで上昇してしまいます。
だからこそ業績が悪い会社の株を買ってはいけないですし、ましてやそんな株を塩漬けするなんてリスクが高いでしょう。
売買根拠が乏しい
株における損切りは売買理由と表裏一体です。
例えばテクニカル分析をして「この株価は割らないだろう、もし割ったらさらに深掘りする可能性がある」と考えればそこが損切りラインとなります。
材料で買ったとしても、その材料が崩れたりしない限りは保有を続けるわけですね。
損切りができずに塩漬け株にしてしまう背景には、こういった売買根拠が乏しいという点があると思います。
塩漬け当たり前の方は
- そもそも株価が上がると思って買っているのか
- その根拠(カタリスト)はなんなのか
- 想定時期はどれくらいか
といったことを聞いても説明できない人も多いのではないでしょうか。
売買ルールもなければ売買目線もあやふや、短期なのか長期なのか、キャピタルゲインなのかインカムゲインなのか、優待が欲しいのか、決算目標なのか・・・色々なことがごちゃまぜでブレブレの保有期間なのかもしれませんね。
対策としては「買いたい銘柄もしくは現状で塩漬け株となっている銘柄の良い所はどこなのか考えること」です。
10年連続で増益している企業なら「今後も業績が伸び、それに合わせて株価も伸びていきそうだ」と考えて長期保有できるでしょう。
特別配当銘柄が権利確定日前に大きく下げた場合は「配当狙いの買いが権利確定に向けて入りそうだ」と考え、それまでは安値割り込みを見ながら保有できそうです。
もし株価上昇の根拠があって含み損を放置しているのならそれは塩漬け株ではないわけで、その思えるためにはどんな株なのかを知ることが大事でしょう。
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塩漬け株と配当について
ところで塩漬け株には配当金がもらえるものもあるでしょう。
中にはその配当を理由に塩漬けしている方もいらっしゃるようですが、株の購入資金を回収するのに何年かかるか考えていますか?
例えば株価1000円の配当利回り3%の銘柄であれば、100株で3000円がもらえます。
10万円を配当だけで回収するには、単純に税引き前でも33年以上持ち続けなければなりません。
また、これは配当利回りが固定されていることを前提にしています。
企業の業績が低迷して減配した場合にはより多くの時間が必要で、業績低迷は株価にも影響するかもしれません。
逆に言えば塩漬け株でも配当利回りが高く、さらに増配傾向が強い銘柄であれば長期的に助かる可能性が高まりそうですね。
増配が続くということは業績が良く、株価も下支えされやすいので思ったより早く回収できる可能性もあります。
もし現状で配当目的の塩漬け株がある方は、その銘柄の配当傾向を考えてみると良いでしょう。
塩漬け株の活用方法
配当や優待以外の塩漬け株活用方法としては
- 貸株サービス
- 信用取引の委託保証金
があります。
貸株サービスとは
株式投資では「空売り」や「貸株」といって株を借りて売り、値下がりしたところで買い戻して借りた株を返すということが可能です。
値下がりした分が差益となるので、下落相場でも儲けられる売買方法として知られています。
貸株サービスとは「自分が保有している株を証券会社に貸してあげる」というサービスで、貸している期間は金利(年利)が受け取れるメリットがあるんですね。
金利は0.1%から数%まで幅がありますが、どうせ塩漬け株で放置しておくならこの貸株サービスを活用して利益を得ようとする方も多いです。
例えば楽天証券の貸株サービスであれば・・・
外部参照リンク:楽天証券
1%以上の金利となっている銘柄もそれなりにありますから、自分の塩漬け株がどれくらいの金利なのか調べてみるのも面白いですね。
ただし、株主優待や配当を受け取りたい場合には「優待・配当優先設定」をしておく必要があるので注意してください。
また、貸株サービス中は名義が自分ではなくなるので長期保有優待は受け取ることができなくなります。
加えて、自分が貸株サービスを活用すればそれだけ空売りの玉が増えるということなので、あまり大きな株数を貸し付けるのも考え物かもしれません。
塩漬け株を活用して長期的に金利で儲ける方法は
この本で詳しく解説されていますのでご参考ください。
信用取引の委託保証金
信用取引とは「現金や現物株を委託保証金として差し出し、保有資産以上の取引を行うこと」です。
塩漬け株は代用有価証券という名目の担保として活用でき、この仕組みを使って資金拘束を実質的に解除している方もいらっしゃいます。
ただし、
- 現金の場合:100%そのままの価値が委託保証金として計算される
- 有価証券(塩漬け株)の場合:価値変動によって委託保証金維持率が影響する
という違いに注意です。
また、信用取引に必要な担保額は証券会社ごとに違っているので、それによっても塩漬け株がどれくらいの価値を維持していれば良いかも変わってきます。
建玉を持ったときには十分な担保額でも、地合いによって大きな追加担保が必要となるケースもあるので気をつけて下さい。
そういったリスクに気をつけながら
- 他銘柄の信用売買
- 為替金利
で回収するという考え方もあります。
塩漬け株と税金対策
前述の通り、塩漬け株として置いておくことは実質的に資金がその分だけ減っていることと同義です。
ゆえに長期保有するメリットがなければさっさと現金化する方が賢いと思います。
ただし、あまりに大きな含み損の場合はかなり迷ってしまうことも確かですよね。
例えば購入金額の50%が削られている状態では踏ん切りがつかない可能性もあり、なんとかその損切りが良い決断だったと思いたい気持ちもあるでしょう。
そういったケースは大きく利益が乗っている銘柄と抱き合わせて売却することも1つの考え方です。
本来であれば異なる銘柄の売買を合算して皮算用することは良くないのですが、
- まとまった確定益があることで決心しやすい
- 無駄に税金を払わなくて済む
といった考え方もできるわけです。
含み益が塩漬け株の損失より大きくなるのであれば、肩の荷を下ろして再出発するという意味でも検討する価値ありだと思います。
もしその年の利益状況がすこぶる良ければ、ただの損切りではなく「節税効果としての損切り」が色濃くなりますので覚えておきましょう。
塩漬け期間10年でも大丈夫!という人へ言いたいこと
人によって塩漬け期間は様々で、中にはかれこれ10年は塩漬けしているという方もいらっしゃるようですね。
10年経過しても自分の買値まで戻らないということは、
- 自分の買値が高すぎた
- その企業が時代にマッチングしなかった
のどちらかかもしれません。
ほんの数年前にはスマホを使っている人が全くいなかったように、10年経過すればそれだけ世の中も変わっていきます。
あなたの塩漬け株が時代にマッチングした企業になるのかわかりませんが、本当にその株を10年以上保有していて大丈夫ですか?
それよりも10年前に現金化して、数万円から買える優良企業に投資しておけば良かったという可能性はありませんか?
塩漬けするためにはその株に上昇要因や期待感がなければなりません。
また、実質的な価値の何十倍もの価格で握っていても一生戻らないかもしれません。
10年も塩漬けできるほどの握力があるのであれば、もっと違う銘柄でその長所を発揮してみても良いと思います。
まとめ
いかがでしたか?今回は塩漬け株についてお話しました。
塩漬け株を作ってしまう心理もわからなくはないですが、そもそもしっかりとした売買ルールや根拠がないことは大きな問題です。
また、塩漬け株として保有するのであれば業績推移・配当・優待などの長期保有メリットがどれくらいあるのかを考えるべきではないでしょうか。
加えて貸株サービスなども適度に利用しながらなるべく損失を回収し、大きく利益が乗った年に処理することもおすすめです。
長期保有のプランがなければ塩漬けすることは避け、効率的に資金を活用していきましょう。
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