どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株を買う時は安値を意識しましょうと聞いたことがある初心者さんも多いと思います。
一般に株の安値とはチャート上で下向きにカクッと折れ曲がった部分のことです。
現代では誰でも気軽に安値を見られる環境ですし、こういったわかりやすい株価変化は市場が注目しやすい部分でもあるでしょう。
株の安値は買いタイミングに使われることも多いですが、必ずしも反発するわけではなく下抜けるケースもありますよね。
安値で株を買うということは悪い事ではないと思いますが、安値で本当に反発しそうかも考えなくてはなりません。
この「株価の反発を考える」というのは「株の安値圏で状況判断する」ということです。
今回はこの点について考えを述べましたので、ひとつの考え方としてご参考下さい。
株を安値圏で買うための考え方とは
まず簡単に株の安値について説明します。
株の安値とは上記のようなカクッと折れ曲がった部分のことです。
- 株価が下がってきて
- 売りから買いに転じて
- 実際に株価が上がっていく
という流れがチャート上で示されたものであり、大きく折れ曲がった部分ほど注目されやすいと思います。
ただしこういった株の安値は、実際に折れ曲がらないとわかりません。
したがって、
- まずは安値を確認する
- 再度そこに株価が到来したタイミングで買う
という流れが基本ではないでしょうか。
単なる割安感で最初の安値を狙おうとすると痛い目に遭うことも多いので、後出しじゃんけん的な買い方となります。
また、再度株価がその安値まできてくれるかもわからないと言えますよね。
そのため完全に一致する安値まで待つこともあれば、
- 安値に一定の距離まで近づいた「安値圏」で買う
- 安値まで下がらないと考え、相対的な安値圏で買う
というケースもあるでしょう。
いずれにせよ、株価が安値圏に差し掛かった時に「本当に反発するのかを見定めて買っていくこと」は重要だと思います。
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安値圏を探るとは状況判断のこと
安値圏で考えなしに買って利益が出るのであれば、今頃日本中大金持ちだらけです。
そうなっていないからこそ安値で買いたい気持ちをぐっと抑えて状況判断しなければなりません。
安値だからといってなんでも買ってはいけないんだと認識すれば、「じゃぁどうやって安値圏を探ろうか」となるのが普通でしょう。
言い換えればその基準を自分なりに持ってあげることで安値圏を判断しやすくなりますし、まずはその物差しを見つけることが買い手に必要なことです。
例えばテクニカル分析で考えた場合、そのひとつに出来高があるでしょう。
出来高を伴って反発した安値(左)と、そうでない安値(右)があった場合は信憑性が変わってきます。
出来高をしっかりと伴ってできた安値の方が支えとしての力は強いと考えられ、値動きの意味合いも大きいです。
逆に言えばそこを割り込んでは困るのですが、安値で買うという観点では狙いやすいでしょう。
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ただし、ここで重要なことは出来高だけ見てれば良いかというとそうではないことです。
もし私がテクニカル信者だったとすれば話はここで終わりになるのでしょうが、経験的にはそういうわけにもいきません。
例えば、出来高急増の安値を形成した背景に材料Aが関与していたとしましょう。
この裏には
- 材料Aが前日に出て周知された
- 翌日に材料Aを理由に買い出動する人が集まった
- 結果として出来高急増で安値を形成した
- その翌日以降も段々と周知され、買い進められる(株価が上に反応)
という流れがあります。
安値で株を買おうとしている人は、再度株価が落ちてきたら買おうと考えるわけですよね?
出来高急増の安値だし安心だと信じているわけです。
しかし、再度その安値に差し掛かった時に材料Aが崩れている状況だったとすればどうでしょうか?
出来高を急増させた理由が崩れているわけですから、この状況で株を買ってはだめでしょう。
買いは見送ってステイする必要がありませんか?
その材料にまつわる違う情報が新たに出てくるのを待って、それによって値動き(上昇)が再開したと考えられれば買い出動するのが普通だと思います(もちろん他の銘柄に注目しても良いです)。
要するに安値圏で株を買うことは、こういった状況判断が大事なのであって
- 自分なりの物差しを見つける
- それを元に値動きを考え、安値が本当に安値のままか考察する
ということではないでしょうか。
今回は出来高を例に出しましたがそれ以外のことでも良くて、安値圏で自分なりに考察することが大事ですよね。
地合いの安値圏を考えて買うことの重要性とは
安値圏の話は個別株に限ったことではなく、日経平均株価など地合いを表す指標にも同じ事が言えます。
日経平均株価の雰囲気があまりに悪ければ新興銘柄だろうと影響しますし、TOPIXや大型株に組み込まれている銘柄ではなおさら影響を受けるでしょう。
したがって「地合い(日経平均株価)が安値圏に差し掛かるのを見つつ個別銘柄の安値を探っていく」という考え方も大事です。
例えば、2020年2月時点における日経平均株価の状況は・・・
このようなボックス推移と推測されます。
具体的には
- ボックス高値:24000円前後
- ボックス安値:23000円前後
ですので、大体1000円幅で推移している値動きですね。
ボックス推移はあまり中途半端なところで手は出したくないですし、まずはボックス安値圏に差し掛かる時期を待つことがセオリーかなと思います。
その上で個別株の値動きを探って、買えそうなら株価が下げたとこで拾う流れが良いでしょう。
地合い安値と個別株安値の比較例
では地合い安値と個別株を比較した実例をご紹介します。
図の下側にあたるチャートはキリンホールディングスの日足チャートです。
キリンホールディングスは
- ビール事業以外にも分野を広げていこうという動き
- 資本業務提携や大規模な自社株買い発表
などいくつか材料を持っている状況で、どこかで買い場を探っても良いのかなと考えていました。
実際にはその後の大発会が急落する流れだったので赤丸部分で拾っていて、その際の考え方は過去記事で書いています。
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ここでお話するのは、そのあとに買い増しをした青丸部分の考え方です。
まず見てもらいたいのは、
- 日経平均株価のボックス安値に差し掛かる時期
- 青丸の時期
が同じだということですね。
日経平均株価がボックス安値圏で反発する(であろう)タイミングに合わせて大型株を買うことが、この例におけるひとつのポイントだと思います。
次に考えたいのは、キリンホールディングスの大発会以降の値動きと日経平均を比較した時にどちらが強いのかという点です。
キリンがあまり下げずに青丸部分にきたのに対し、日経平均株価は大発会時の安値までしっかり下げています。
この状況からキリンホールディングスのこの時期の値動きにはある程度の強さがあって、材料発生時の株価に戻ってもおかしくはないのかなと考えられました。
最後に、日経平均株価がボックス安値に到来したタイミングでキリンホールディングスは中期線および長期線サポートのタイミングにあるということに注目です。
- 下げ圧が弱い状況
- 地合い安値
- 中長期移動平均線が重複する位置
が重なっているので、ここで買い増しできそうですよね。
買い増し後は結果的に、材料発生時の高値まで昇ったあとに折り返して上髭を引く流れになりました。
上記は私が勝手に順序立てて考えただけであって、本当にこれらが合致したことで高値を目指せたのかはわかりません。
キリンホールディングスが高値到達したあとの値動きはむしろ日経平均株価よりも弱くなってしまいましたし、実際にはそこまで強い値動きではなかった可能性もあるでしょう。
しかし、こういった地合い安値や状況を考えながら個別銘柄の安値を拾っていく流れは基本的なことではないかと思います。
自分で理屈を立てて値動きを追っていくことは本当に大事ですので、株を買う前には必ずやってもらいたいことです。
ちなみにここで言う「地合いの状況」とは、日経平均株価を動かしている要因ですよね。
例えばこの時期は新型コロナウィルスの話題で持ちきりでしたから、その進展状況がどうなっていくかを逐一考察することも地合いを考えることにつながるでしょう。
良い材料を持っているのに長引く悪地合いのせいで反応が悪いこともありますので、状況把握しながら良い個別株を探すことに注力してはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?今回は株を安値圏で買うことは状況判断をすることであると述べました。
なんでもかんでも安値で買っているだけで利益が出ればこれほど嬉しいことはないですが、実際には自分で状況判断をして買うことが求められます。
自分なりに判断基準を持って状況を理屈立てることは、株を買う上で本当に大切です。
これは地合いにも個別株にも言えることですので、ぜひ安値圏で意識してみてはいかがでしょうか。
関連記事には
がありますのでご参考ください。それではまた!