差し込み線と切り込み線・入首線の違い!活用ポイントで大事なこととは?

    

差し込み線は株価下落時に買われているか判断できる重要な酒田五法だと考えています。

ローソク足の組み合わせには様々なものがあり解釈も色々ですが、その中でも特に色々な考え方があるのは

  1. 切り込み線
  2. 差し込み線
  3. 入り首線

の区別でしょう。この記事ではそれぞれの解釈にどんなものがあるのかを紹介しながら使い分けについても述べました。諸説ありますが参考になれば幸いです。

    

差し込み線とは強さと弱さを表す2つの考え方がある

まずこちらをご覧下さい。

差し込み線における基本的なローソク足の組み合わせは,図のような大陰線と大陽線です。

差し込み線判断のポイントとしては

  1. 大陽線の始値が大陰線の終値より安いこと
  2. 大陽線の終値が大陰線の実体中央付近まできていること

です。

このふたつを満たすことで、長い下ひげのカラカサと同じ意味合いになります。

差し込み線は基本的にはこういった考えから「売り圧力が弱まったことを示唆している」と考えられるわけですね。

ところで、この組み合わせはどこかで見たことありませんか?

実はこの組み合わせは「切り込み線」の後ろ2つと同じ状況です。切り込み線とは・・・

こんなローソク足パターンで、3つのローソク足の組み合わせから強さを表すと考えられています。

かぶせ線を否定している可能性があり、値動き転換を考える局面となるんでしたよね。

かぶせ線や切り込み線については「かぶせ線とは上昇力の衰えを表すローソク足の組み合わせ!」で詳しく解説していますのでご一読下さい。

差し込み線が弱さを表すという考え方について

一方で、差し込み線は弱さを表すという考えもあります。こちらをご覧下さい。

先ほどの差し込み線のシェーマと比較すると、2本目の差し込み部分には上髭が追加されていますね。

差し込み線は基本的に強さを表すものではありますが、中にはこの上髭がついたものを差し込み線と呼ぶ説もあるんです。

2本目の差し込み部分に上髭がついているということは、

  1. 大陰線から切り返す値動きがあった
  2. その後、大引けにかけて売りに押される展開となった

という流れを示します。

したがって先ほどの差し込み線とは逆に「弱さを示す」という考え方になり、この上髭部分が転換点として意識できるでしょう。

同じ差し込み線でもひげの付き方によって考え方が反対になりますので注意して下さい。

最初に説明した「強さを表す差し込み線」は「切り込み線」の考え方に含めてしまい、「弱さを表す差し込み線」の方で覚えてしまえば記憶しやすいかもしれません。

差し込み線の考え方で正しいのはどちらか議論するよりは、

  1. どんな値動きの流れで出てきたのか
  2. 値動きが示す意味合いはどんなものか

を考える事が重要だと思います。

入り首線とは差し込み線や切り込み線より弱いローソク足パターン

切り込み線や差し込み線に類似したローソク足パターンは実はもうひとつあります。それが・・・

この入り首線と呼ばれるパターンです。

入り首線判断のポイントとしては「2本目の陽線で切り返すも、大陰線の実体中央まで戻せない」ということでしょう。

つまり大陰線を切り返す値動きに明確さがなく、

  1. まだ売りの強さが感じられる
  2. 戻り売りを浴びやすい位置

とされ、弱さを表すローソク足の組み合わせと考えられています。

切り込み線・差し込み線・入首線は類似したローソク足の組み合わせですが、強さとしては

  1. 切り込み線
  2. 差し込み線
  3. 入首線

という順番です。陽線の戻し具合もこの順に大きいので判断材料とできます。

中でも切り込み線だけは買いパターンと呼ばれる意見がほとんどで、切り返し部分の大陽線が拡大すれば・・・

2つ目のかぶせ陰線を大陽線で包む状況になります。

流れにもよりますが、買いが売りを明確に上回るローソク足の組み合わせなので買いやすいですね。

差し込み線の実例紹介

では差し込み線の実例を見てみましょう。こちらをご覧ください。

こちらは決算材料で窓開け上昇を開始したものの、ずるずると下げてしまったチャートです。しかし、

  1. 青枠部分:陽線が前日の陰線を包み込む
  2. 黄色枠部分:差し込み線

という状況になっています。

決算で好業績が発表されたことに加えて、

  1. 包み線となる大きな値幅の陽線が発生 ⇒ 売り買いが戦い下げ止まる可能性
  2. 差し込み線 ⇒ 下げ止まりを補完する値動きの可能性

という点がポイントだと考えられますね。その後の値動きは・・・

下げ止まりから反発して、高値更新となっています。

このように差し込み線単体では明確な判断ができませんが、

  1. 銘柄背景
  2. 差し込み線までの流れ

を考慮しつつ、状況を補完する使い方がおすすめです。

違う例をもうひとつ見てみましょう。

こちらも好業績なものの高値で保ち合い、そこから下落したチャートです。

  1. 青枠部分:アイランドリバーサル
  2. 黄色枠:差し込み部分(もはや切り込み線も超え、陽の包み線)

というのが印象的ですね。

また、

  1. アイランドリバーサルの前はギャップダウンが続き、三空叩き込みに近い状況
  2. アイランドリバーサル後3つ目の陽線は、下ひげでアイランドリバーサル安値を意識

という状況です。

ちなみに2つ目の「アイランドリバーサル安値を意識」という意味については

で解説していますので、こちらをご一読ください。

そこからの黄色枠での包み線で、さらに底打ち期待が高まります。

その後の値動きは・・・

このように高値圏に戻る流れとなりました。

最初の例と同様に、

  1. 三空叩き込みやアイランドリバーサルで底打ち示唆
  2. アイランドリバーサル安値で反発する値動きで強化
  3. 差し込み部分が陽の包み線になる状況で強化

と、底打ちの期待感を高めていくことがポイントですね。

まとめ

いかがでしたか?今回は差し込み線のご紹介と、切り込み線・入首線との違いをお話しました。

活用する際にはそれ単体で判断するのではなく、それまでの流れや買われる理由があるかを考えることが重要です。

酒田五法など色々な考え方を組み合わせて判断してくださいね。

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