株チャートには「なべ底」や「やぐら底」といった有名な底値形状がありますよね。
実は天井圏にも「団子天井」という有名な形状があるんです。
この記事では
- 団子天井の基本的な考え方
- 団子天井の実例チャート
をご紹介しました。
なべ底と同じく緩やかな値動き推移が特徴ですが、発生すればそれなりの下落となるチャート形状です。
巻き込まれないようにぜひご参考下さい。
団子天井チャートとは
団子天井とは図のように、
- 上昇局面から緩やかに横ばいに変化
- 高値圏でしばらくもみ合う
- もみ合いから窓開け下落
といった流れで天井をつけるチャートのことです。
丸みを帯びて天井をつける様子から日本では「団子天井(だんごてんじょう)」、海外では「ラウンドトップ」と呼ばれています。
団子天井を考える上でのポイントは
- 上昇時のローソク足から徐々に実体が縮小する
- 天井圏の横ばいでは寄せ線やコマが連発する
- 下落開始は窓開けを伴う
といった点です。
これらからわかるように団子天井は「なべ底の天井バージョン」として知られており、考え方を応用したものと言えるでしょう。
<関連記事>
したがって団子天井における値動きの意味合いは
- 天井圏でのもみ合いで買い圧力を消化(本尊の売り抜け)
- 最後の下放れで売り圧力の強まり(本格的な下落の開始)
といったものです。
団子天井は酒田五法のひとつ
なべ底ややぐら底が酒田五法の種類であるように、団子天井もまた同様です。
したがってそれ単体(チャート形状だけ)で考えるのではなく
- 行き詰まり線
- かぶせ線
- 最後の抱き線
といった、その他の酒田五法からも天井示唆の重複があることが望ましいでしょう。
<関連記事>
酒田五法における売りシグナルが重なれば重なるほどニュアンスは強まり、団子天井の信頼性が上がるというわけですね。
全ての売りシグナルが出る必要はありませんが、自分なりに信頼をおけるパターンというものを蓄積していくことは重要だと考えます。
また、ローソク足だけでなく
- 出来高
- 過去の高値
- PER
といった違った角度からアプローチを考えるのもおすすめです。
例えば、
- 高値圏でもみ合っている最中に出来高が全然なかったのに、下放れで急増した
- 過去の重要な節目・高値に差し掛かるにつれて上値が重くなった
- 現状の株価ではPERが100倍を軽く超えている
といった状況であれば不穏な空気が漂いやすいですね。
株価水準は自分の物差しが決めるものではなく市場が決めるものですが、少なくともポジション調整はしていくべきではないでしょうか。
団子天井の実例チャート
では団子天井の実例チャートを見てみましょう。こちらをご覧下さい。
このチャートは順調な上昇トレンドでしたが、
- 赤枠で長い上髭が発生
- 高値圏でヨコヨコ推移開始
- ヨコヨコ部分では大陰線や寄せ線などが多く、出来高も減少傾向
- じわじわと株価を下げ、青枠で「並び黒 ⇒ ギャップダウンで直近安値割り」
といった流れになっています。
まず始めに注目するのはやはり「長い上髭陰線が天井圏で発生したこと」です。
これによって市場心理は下落への警戒を強めたのではないでしょうか。
そこからさらに天井圏で大陰線が2箇所で発生していますが、いずれも始値はほぼ同じ価格。
すなわちこの大陰線の始値が「ここが一旦の天井ですよ」と教えてくれていると感じました。
ちなみにこの価格は
- 上髭陰線の先端
- 11000円の節目付近
であり、前述のような違った角度からの天井示唆でもありますね。
そこからローソク足が縮小し、寄せ線が増えたことも「上昇の勢いが衰えている」ということにつながるでしょう。
当然、ここが再上昇前の調整局面の可能性もあります。
ただ上昇するのか下落するのかわからない場面であることは確かなので、ポジション調整はした方が良いです。
最後に「並び黒+ギャップダウンで安値抜け」という流れが決定打となり、下落開始となりました。
<関連記事>
厳密な並び黒は発生するケースが少ないですが、こういったトレンド転換のタイミングで類似状況になったことは興味深いですよね。
ギャップダウンしたことで団子天井も完成し、ボックス安値抜けが下降トレンド開始を物語っています。
その後の値動きは・・・
このように中期線に上値を抑えられる展開で、大きく下げることになりました。
この実例チャートは
- 団子天井という形状だけで判断しない
- 色々な要素を含めながらチャートを読み解く
といったことを教えてくれる良い教材だと思います。
まとめ
いかがでしたか?今回は団子天井についてご紹介しました。
色々な酒田五法で天井シグナルを見つけながら活用したいパターン分析です。
関連記事には
がありますのでご参考下さい。それではまた!